聖山ギルナール!豪雨のなか9999段の石段を登って礼拝してきた「西インド聖地巡礼の旅その3」

西インド聖地巡礼の旅・・3日目となるこの日から、本格的な巡礼のスタートです。

アラビア海に面するグジャラート州のジュナーガルという小さな町。前日、22時に消灯した僕は、朝3時のモーニングコールで起床。しかし、長時間移動の疲れもあって30分ほどベッドでゴロゴロしてからシャワーを浴びて支度をしました。

ホテルからバスで10分ほど、この日登るギルナール山の麓に到着・・

まずは上の写真をご覧ください。これがギルナール山の頂上付近で、丸の部分に僕らが目指すダッタトレーヤの寺院ゴーラクナートがあります。アップにすると・・

これがゴール地点の頂上。

写真を見ると本当にこんな山に登れるのだろうか・・?

と、恐ろしくなってしまいますが、ともかくチャレンジあるのみ!予想10〜12時間の登山巡礼がここから始まります。降りしきる雨の中・・カッパも着ずに聖山ギルナールの登山巡礼。

午前4時10分、山門に立つ僕。

気温は体感で27〜28℃でかなり蒸し暑い。何よりも肌にまとわりつくようなひどい湿気。早朝だというのにたくさんの人がいて、インド人の生活リズムってどんなだろう?といつも思う。

体調はかなり良し!

高まる期待と少しばかりの恐怖、そして2リットルの水とパーカーを入れたリュックを背負って、いざギルナール山のてっぺんを目指して山門をくぐります!スタートしたばかりの麓は小さな町になっていて、参道には土産屋と食堂、そして小さなお寺が立ち並んでいます。 当然ながらまっくら闇、足元もほとんど見えない中、慎重に登っていきます。(早朝にもかかわらずたくさんの人が山を登っていきます)

登山を開始してから10分・・

全身から汗が噴出。

たっぷり水を飲んだ後、サウナに15分くらい入った時以上に出る汗。蒸し暑さで呼吸も苦しい。そして、こまったことにペースがやたらと早いのです。(参道の途中途中にある小さな売店、お菓子と水とフルーツが売っています)

頂上までは9999の石段を登っていくのですが、これが想像していた以上にきつい。

スタートして30分たたずにギブアップ寸前。

(5時半を過ぎるとうっすらと明るくなり始めたギルナール山)

一ヶ月分の汗を30分で出した僕・・その後、不思議とピタッと汗が止まって、足取りがかるくなったのです。そうなんです。標高が上がるにつれて、嘘のように気温と湿気が下がっていくのでした。

(3000段付近にあるジャイナ教の寺院、霧に煙って幻想的です)

自分のペースで登ることの大切さを思い知る。

そして、他人ではなく自分のペースで登るように歩幅のスピードを切り替えてから、気持ちも楽になって遠足気分のように心がウキウキしてきたのです。そうまるで、スキップでもしたくなるような。もちろん、ひとりではないのでチームの和を乱すほど勝手な動きはできませんが、元気があってこそ他人を思いやれるというものです。自分の感覚を取り戻した僕は意気揚々と登っていきました。

4時15分に出発してからおよそ3時間・・

ジャイナ教の聖地でもあるこの山。立派な寺院が山の中腹に鎮座しています。

実は、このジャイナ教寺院で9時から行われる礼拝に参列予定(休憩をかねて)でしたが、予定よりだいぶ早く到着したので、ここはスルーして頂上を目指すことになりました。寺院参拝は下だりですることに。

降りしきる豪雨、カッパを忘れた僕はずぶ濡れで登山。

ジャイナ教寺院からさらにおよそ7000段を登った先にあるゴーラクナート寺院を目指す僕ら・・

途中からバケツをひっくり返したような豪雨。みなリュックからカッパを着て登山にいどむ。僕にはカッパを着るという概念がないので、リュックにはもちろん入っていない。そう、僕が雨に濡れるのが大好きなんですよ。

と、自己暗示をかけながら(カッパを忘れたことを後悔しながら)登りました。

ところが、これまた不思議なことに雨が気持ちいいんですよね。気温があるのでほどよく身体を冷やしてくれるし、なんだか邪念をギルナールの雨が洗い流してくれる感じすらするのです。その証拠に、インド人は誰一人としてカッパを着ていません。さらにびっくりなのがリュックすら背負ってないのです。

つまり、手ぶら。

リュックを背負っているのは外国人のみ。

インド人たちは、ポッケにスマホとお金を入れているだけで、なんと水すら持っていません。こんな過酷な登山だというのに。ギルナール山は軽装でも登山できるんです。

この時、僕は悟りました。

ギルナール山は手ぶらで登れる!

その根拠は、

・インド人はほぼ全員が手ぶら
・ところどころで水とお菓子が売っている

リュックを背負わない分、登山が相当楽になります。

では何を持っていけばいいのか?

・塩(塩分補給するため)
・飴(疲れた時、甘いもの補給)
・500ルピーくらい(お賽銭、お布施、買い物用)
・タオル(汗拭き用)

ズバリ、上記の4品があれば問題ありません。

杖は、麓の売店で1本30ルピー(50円)で貸してくれます。さらに帰りに返していけば20ルピーが返ってきます。頂上に近づくと、すっかり雲の中に入り視界はほぼゼロ。ガイドさんがいうには、ここまで雨が降ったり雲の中に入ることは滅多なく、景色が見えない分、とても涼しくて汗もかかず、体力的なメリットが大きい特別な日だったそうです。

スタートしてから4時間あまりが経過・・

頂上がにあるダッタトレーヤ寺院が見えてきました。

ちなみにダッタトレーヤとはインドの神様で、シヴァ神、ビシュヌ神、ブラフマー神が三位一体になった神で顔が三つあるのが特徴です。今年のG.wに来日してお世話になった聖者スワミジもダッタトレーヤのアバターと言われており、今年は何かとご縁があります。

あっ!と驚くほど頂上は神秘的で神聖な空間だった。

ギルナール山の頂上に建つ寺院まであとすこし・・

スニーカーを脱いで裸足になって参拝の準備をします。驚いたことに、インド人はサンダルか裸足でここまで登山なんですよ。日本でも例えば、奈良の大神神社の御神体である山に登る時はそうであるように、神聖な場所には裸足で入るというのが共通のルールで、下足=汚れというこなんでしょう。

頂上まで来ると映画の世界に紛れ込んだようなロケーションで、外観は立派ではない寺院なのに、強烈なくらい神聖な雰囲気を出しています。

広さ10帖ほどしかない寺院には、ちゃんとお坊さんがいて祝福を授けてくれました。近くにヘリコプターの発着場などありませんから、お坊さんもここまで登ってきているのす。そんな、アブノーマルすぎる寺院ですから、ありがたみも100倍ですよ!

静かに黙想して、神に感謝の気持ちを捧げました。

みんなが幸福でありますように。健康でありますように。人生が豊かになりますように・・

まだまだ旅はつづきます。

それでは皆さん、よい旅を!

Have a good trip!

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