横浜で開催された「カーリング日本選手権」ラウンドロビン3日目の観戦記。

2024年の年末、信太郎さんと毎年恒例の忘年会を横浜でやった時のことだった。

何気ない会話の中で「来年はカーリングを観に行きましょう」と僕が発言をすると、まめな信太郎さんはスマホを取り出すとさっそくリサーチを始めた。なにやら驚いた様子で「横浜でカーリングをやるって書いてある」と言う。

僕は頭のなかで「そんなバカな!?」と思いながらとりあえず信太郎さんの話を聞いてみた。どうやら2025年2月に横浜で日本選手権を開催をするらしいのだ。いったいこんな大都会で、しかも雪が降らない温暖な街でどうやってカーリング場を設営するのだろうか?

そんなことを思いながら忘年会から帰ったのだ。

12月中旬だったのでずっと前に横浜開催が決まって、チケットがすでに発売されている。もうSOLD OUTだろう、と半分諦めながらもとりあえずパソコンを開いてチケットがまだあるかどうか?を確認してみることにした。

さすがに・・

週末に行われる準決勝と決勝戦のチケットは完売だった。まあ、仕方ない。それなら平日はどうだ・・

おおおお!

2階席は売り切れているが、3階席の自由席ならまだ残っていた。ひとまず買おう!っと、その前に信太郎さんに相談だ。LINEをしてみるとふたつ返事でOKと返ってきた。今回は僕が信太郎さんのチケットをプレゼントすることにした。いつも横浜球場での阪神戦のチケットをプレゼントしてもらっているお礼も兼ねて招待をすることにした。

いつものホテルに前泊をして観戦準備を整える。

カーリングの第一次予選は午前9時から、午後1時から、午後6時からの3つの時間帯で行われる。

自由席だから8時30分には会場に着きたい。と、なると埼玉の自宅を朝6時ちょい過ぎには出発する必要がある。夜の試合も必見なのでさすがに体力が持たない、と判断し前泊をすることにした。ちょうど、信太郎さんと横浜滞在をする時の定宿にしていたHOTEL EDITが2月いっぱいで閉館になる。

信太郎さんに相談をして最後の記念に贅沢に二泊することにした。それが結果的に大正解だった。理由は後ほど書くとして、前乗りした僕たちはスーパーで食料を買い出し、ホテルの部屋でお気に入りの宿最後の晩餐を楽しんだ。

翌朝、しっかりと厚着をして(12年前に観戦した軽井沢のカーリング場が極寒だったので)部屋のポッドで茶を沸かしタンブラーに入れた。信太さんはこの日のためにカインズホームでタンブラーを買った。僕たちは、なか卯でしっかり朝定を食べると意気揚々と会場である横浜文化体育館に乗り込んだ。

12年ぶりのカーリング観戦と選手たちの技に感動!

2013年4月に軽井沢で行われた大会を観戦してぶりの現地となった。

当時は、確か本橋選手の活躍で一時的ブームが沸き起こった後だと思う。今では有名になったロコ・ソラーレの藤沢五月選手が中部電力チームのスキップをしていた。今回の日本選手権で見事優勝したフォルティウスの吉村選手はこの時、札幌国際大学のチームで出場しておりモデルさんのように美しい容姿だけでなくその実力も目を引いた。

さあ、今回の大会は横浜での開催ということで、まずはちゃんとアイスが整っているのかどうか?がとても気になっていたのだが、その心配は杞憂に終わることになる。会場に入るなり4つのレーンがそれは見事なまでに整っていた。

そして驚いたのが、寒くない!

アウターを着ていったのだが、むしろ暑く感じるくらいだった。試合が始まってしばらくすると気温調整で身体に冷えを感じるまではセーター1枚で過ごすことができた。気温が表示されていたわけではないがおそらくマイナスではなかったはずだ。

そして、2000人を収容する会場の規模も日本で開催された大会では最大規模である。選手が繰り出すひとつひとつのプレイを見守り、拍手をし、歓声をあげていた。僕以上にカーリングを理解している人たちも沢山いらっしゃり、一緒にきた仲間と楽しそうに解説をしあっていた。

それが、カーリングの楽しみ方なのだ。

僕たちが観戦した日は予選3日目。

9時からの女子の試合を現地観戦

12時にいちど外に出てランチ

13時にホテルに戻り部屋のテレビで男子の試合を観戦

早めの夕食を済ませて再び現地へ

18時からの女子の試合を観戦

スケジュールはざっとこんな感じだった。一日中会場にいるとさすがに身体が冷えるし、ランチはあたたかいうどんを食べて、ホテルのベッドでごろごろしながらのテレビ観戦はそれはそれで楽しかった。

カーリングに話を戻すと、今回注目したのはチーム大阪だ。関西からの出場で気になって調べたら驚くべき事実がわかった。本当に驚いた。それは、関西にはカーリング施設が無いというのだ。それなのにチームを組んで練習をして、時には施設がある軽井沢までわざわざ出向いて練習を詰んだというのだ。

そんなチーム大阪が、競合ロコ・ソラーレと戦い、負けはしたものの後半は相手を苦しめる展開をしていた。そして、会場からはそんなチーム大阪に割れんばかりの拍手を送っていて感動した。北京五輪で大活躍したロコ・ソラーレに憧れてカーリングを始めた子たちが努力を重ねてここまで来ただけでも素晴らしいし、大勢の心を揺さぶってくれた。

今回、優勝したフォルティウスの力は確かに頭ひとつ抜けていた。

スキップ吉村さんの冷静かつ精度が高いショットだけでなく、近江谷さん、小野寺さんふたりのオリンピック出場経験者を揃え、安定したパフォーマンスだった。ロコの藤沢選手も、安定感は欠いたものの、ここぞという時にしっかり決めてくれる集中力と技術はもの凄かった。

オリンピック代表決定戦について

今回、優勝したフォルティウスは世界選手権に出場できると同時に、今年9月に稚内で開催されるオリンピック代表決定戦への進出も決めた。代表決定戦は去年の日本選手権に優勝したSC軽井沢クラブ、そして世界ランキング日本最上位のロコ・ソラーレ。

稚内開催ということで、タイミングが合えばぜひ現地観戦をしてみようと思っている。

それだけ、カーリングは面白いのだ。

最後に、横浜開催は個人的に見て大成功だったと思う。これだけ大会を盛り上げて集客もできたわけだから関係者各位の尽力に感謝したい。そして2026年の日本選手権も横浜開催を打診しているとのこと。

そうなると、チケット争奪は確実だろうから今から気合いを入れようと思う。

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