1967年に発売されたビートルズのアルバム「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」が、今年で50周年を迎えることを記念してリマスタリングされた記念版が発売されました!
僕(@ka__zz)の人生において、もっとも聴き込んでいるアルバムで、かれこれ1000回以上はリピートしています。
今も聴きながら記事を書いているのですが、音楽としてクオリティの高さは驚異的で、聴くたびに新鮮な音の粒子が溢れ出てきて、50年も昔の作品とは思えません!
そして、このアルバムでもうひとつ書いておきたいのが、ジャケット写真に登場する数々の偉人たち。その中に写る、4人の偉大なインドの聖者についてです。
Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Bandの50周年記念ボックスが発売。
1967年に発売された8枚目のアルバム”Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band-サージェントペッパーロンリーハーツクラブバンド”。2017年の今年、リリースから50年を記念したスペシャルエディションが発売されました!
50年前って半世紀前ってことですよ!
もちろん僕は生まれていませんし、当時の日本は昭和42年で、美空ひばりさんの真っ赤な太陽、三波春夫さんの世界の国からこんにちは(大阪万博の歌!)、ザ・ピーナッツの恋のフーガ、森山良子さんのこの広い野原いっぱい・・などが流行した年でした。
どれも昭和を代表する名曲で僕も大好きな歌ですが・・
いっぽうその頃イギリスでは、絶頂期から一転して解散の噂などゴタゴタがつづいており、さらに敏腕マネージャーだったエプスタインの死によってネガティブな話題を提供していたビートルズ。
そんな年にリリースされた”Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band”は、世間の逆風を吹き飛ばすほどの勢いで売れ、イギリスの「ミュージック・ウィーク」誌では、1967年6月から1968年2月の間で23週連続で一位を獲得し、ランクインは148週連続、201週滞在しました。
アメリカの「ビルボード」誌では、15週間連続第1位を獲得。さらにグラミー賞では「最優秀アルバム賞」「最優秀現代アルバム賞」「最優秀アルバム・カバー賞」「最優秀技術アルバム賞」の4部門を受賞しました。
全世界だと3200万枚以上のセールスを記録。
そんな凄いアルバムの50周年記念スペシャルエディションの中身は・・
ザ・ビートルズ『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』スペシャル記念エディション。国内盤は、「1CD」「2CD」「2LP」「スーパー・デラックス(6枚組)」の4種類をリリース。
特に「スーパー・デラックス」には、新たな『サージェント・ペパー』のステレオ・ミックスの他に、未発表のセッション・レコーディング、映像素材、1992年に制作された未発売のドキュメンタリー映画『ザ・メイキング・オブ・サージェント・ペパーズ』などを復元収録。さらに日本盤スーパー・デラックスには、特典として『サージェント・ペパーズ』立版古:50周年記念エディションが封入されています。
引用:Amazon
2017年の最先端技術によってリマスタリングされた音源だけでも聴く価値はあるのに、未発表のレコーティング音源や映像まで入っていて、ファンにとってはヨダレもののアイテムです!
僕(@ka__zz)がこのアルバムと出会い初めて聴いた時の感想は、インパクトこそ感じたのですが、フーン・・て感じでハマるほどのではなかったのです。
ひとつのコンセプトに基づいた作品として構成するアルバムは現在では当たり前のことですが、50年前にその概念はなく、サージェントペパーズが人類初のコンセプトアルバムと言われています。
しかし、ビートルズ歴が浅かった僕的にピンとこなかったのです・・
ところが、一曲だけ妙に心にひっかかる歌があって、それが「A Day In The Life」でした。聴けば聴くほどスルメのように味が出て、気がつくとこのアルバム自体にすっかりどハマりしていたのです。
その結果、1000回以上のヘビーリスニングをしたわけですが、僕の中で新鮮さを失うことはなく、これからも聴き続けていくでしょう。
アルバムジャケットに登場するインドの聖者と”あるヨギの自叙伝”に影響を受けたビートルズの4人。
このアルバムは、楽曲とともにそのジャケットも大きな評価を得ています。
ビートルズのメンバーたちの人生に多大な影響を与え、そしてリスペクトするヒーローや偉人たちの肖像写真の中にジョン、ポール、ジョージ、リンゴが居て、5人目のビートルズとしてドイツ修行時代にメンバーだったスチュアート・サトクリフもいます。
マリリン・モンロー、マーロンブランド、フロイト、ユング、ボブディラン、アインシュタイン、マリーネ・ディートリッヒ・・そうそうたる歴史に輝く偉人たち。
そんな中に、4人の偉大なインド人がいることが、僕らの仲間うちでは大きな話題になりました。
それがインドの大聖者パラマハンサ・ヨガナンダが書いた20世紀を代表する本「あるヨギの自叙伝」に登場する19〜20世紀に実在した聖者たちです。
僕もこの自叙伝を読み、人生観どころか宇宙観が変わるほど大きな影響を受けたのですが、どうやらこの当時ビートルズのメンバーたちも「あるヨギの自叙伝」を読んで影響を受け、瞑想とインドにすっかりハマっていくことになります。
キッカケは1967年にジョージ・ハリスンの奥さんがマハリシ・ヨギーの超越瞑想のセミナーに参加。その後、ジョージと他のメンバーも瞑想会に参加して衝撃を受け、レコーディングを中断してまでマハリシ本人に4人して会いに行きました。
このアルバムが発売された翌年の1968年、ビートルズのメンバーは、北インドの聖地リシケシへ旅立ち、マハリシのアシュラム(修行場)で瞑想修行をするほど、彼らの人生に変化をもたらせるパワーを持った自叙伝なのです。
ビートルズがリシケシで修行したことで、多くの若者たちが影響を受けて深い精神世界を求めてインドへ行くことになります。個人的に、これだけでもビートルズがこの世界に存在した価値はあると思っていて、その影響を受けたであろう人物を次に紹介します。
▼ビートルズのリシケシ修行の様子
スティーブ・ジョブズも大きな影響を受けた”あるヨギの自叙伝”
有名な話では、アップルの創業者スティーブ・ジョブズもヒッピー文化全盛だった19歳の時に、バックパックを背負って旅をしていたインドの安宿でこの本に出会い、それ以降も人生のバイブルとして何度も何度も読み返し、晩年は自身のiPad2に唯一”あるヨギの自叙伝”をダウンロードして読み返していたと、ジョブズの自叙伝に書いてあります。
さらには、ジョブズのお葬式で、世界から集まった800人のVIPに香典返しとしてあるヨギの自叙伝を配布したほど、すごい本なのです。
この本を愛読している僕的に想像すると、ビートルズのメンバーたちは、インドの聖者たちがおこなう深いレベルの瞑想に憧れたに違いありません。人間が到達できる意識状態の最上位で、ヨガ用語ではサマディと言われています。
通常の意識を超越して、自身の真我に到達し、宇宙そして神と一体となる瞑想状態のことで、インドではヒマラヤの山奥に何十年もこもり、長い長い孤独な瞑想修行の先にようやく到達できる・・いえ、そんなに過酷な修行をしても到達できる人はごくごく僅かだと言われている、サマディという超越意識。
あるヨギの自叙伝に、克明に描かれたその意識状態は、読むものを魅了します。
僕自身も、もろに影響を受けたのは言うまでもなく、何度もインドへ行ってはヒンドゥ寺院や聖地をまわり、ビートルズが修行をしたリシケシにも足を運びました。1967年当時、25〜26歳だったビートルズのメンバーですから、僕以上にハマったことは簡単に想像できます。
ビートルズのメンバーも、多忙を極めるなかわざわざインドまで行き瞑想修行をしたわけですが、現実はそう甘いものではありませんでした。1ヶ月や2ヶ月の修行でサマディを体験することは現実的に厳しく・・再び現実世界へ帰ってくることになります。
アルバムジャケットに登場するインドの聖者について。
ビートルズのアルバム「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」のジャケットに登場するインドに実在した聖者はパラマハンサ・ヨガナンダ・スリ・ユクテスワ・ギリ・ラヒリ・マハサヤ・マハアバター・ババジの4人です。
日本ではまだそれほど知られていない聖者たちですが、世界的には有名で、特にアメリカやヨーロッパでは、霊的指導者の最高峰として現在でも尊敬をされています。
4人の聖者をそれぞれ紹介しましょう。
1・パラマハンサ・ヨガナンダ-Paramahansa Yogananda(1893年〜1952年)はヨガの指導者で、アメリカにヨガを普及させたこと、クリヤ・ヨガを世界に広めたこと、そして著書「あるヨギの自叙伝」で有名な聖者です。
ここで言うヨガは、体操のヨガ(ハタヨガ)のことではなく、ヨガ本来の意味である『神との合一』を果たすための体系的で科学的な技法をいいます。
2・スリ・ユクテスワ・ギリ-Sri Yukteswar Giri(1855年-1936年)は、ヨガナンダのグル(霊的な師、先生)であるヨギの自叙伝にも数多く登場し、そして聖なる言葉を残しています。厳しさの中にも絶対的な愛と叡智を持った人で、ヨガナンダを悟りへと導きました。また、ヨガを科学的に体系化し、莫大な知的財産を後世に残しました。
▼スリ・ユクテスワ・ギリの著書
3・ラヒリ・マハサヤ-Lahiri Mahasaya(1828年〜1895年)ヨガナンダの師、ユクテスワのグルにあたる聖者で、今世にインド古来の霊的技術クリヤ・ヨガをババジから授かり復活させた。
「クリヤ・ヨガは、人間の進化を促進するための手段である」
スリ・ユクテスワは弟子たちに説明された。
いにしえのヨギたちは、宇宙意識の秘密が、呼吸の制御と密接な関係にあることを発見した。
これは、インドが人類の知識のうえにもたらした不滅の貢献である。ヨギ(ヨガ行者) は、呼吸を不必要にする独特の技法によって、ふだん心臓の鼓動を維持するために消費されている生命力を心臓から解放し、この解放された生命力を、霊的進化の促進というより高い目的のために利用するのである。
クリヤ・ヨギは、意志を用いて自己の生命エネルギーを、脊髄の六つの中枢 ( 延髄、頸椎、腰椎、仙骨、尾骨の一にある神経壕 ) に沿って上下に循環させる。
これら六つの中枢は、象徴的宇宙人間である黄道帯の十二宮に相当する。
この鋭敏な脊髄の周囲に、わずか30秒間エネルギーを循環させるだけでも、人間の魂は微妙な進化を遂げる。30秒のクリヤがもたらす霊的進化は、自然のままに生活する場合の一年分の霊的進化に匹敵するのである。
人間の肉体は、全知の霊眼という太陽のまわりを回転する、六つ内的星座 (極の数にして十二) によって構成されており、それらは物質界の太陽および黄道帯の十二宮と相互に関連している。
こうして、人間はみな、内的宇宙と外的宇宙の影響を受けているのである。
いにしえの聖賢たちは、人間がこうした地上と天上の環境に支配されながら、十二年を周期とする自然進化の道を歩まされていることを発見した。 聖典は、人間が脳を完全に発達させて宇宙意識に到達するには、正常で健康な生活を続けたとしても百万年かかると断言している。
もしクリヤを、一日に八時間半で千回行ったとすると、このような一日は、自然進化の一千年に相当する効果をヨギにもたらす。すなわち、これを一年間続けると、365,000年に相当する進化が遂げられることになる。
こうしてクリヤ・ヨギは、自然が百万年かかってもたらす効果を、賢明な自己訓練の努力によって、わずか三年で達成することができるのである。
しかし、このような著しい進化の近道は、もちろん、熟達したヨギのみが取りうることであって、それは聖師の指導の元で、強烈な行から生ずる力に十分耐えられるだけの肉体と脳を注意深く訓練して、はじめて可能となるのである。
引用:あるヨギの自叙伝
4・マハアバター・ババジ-Maha Avatar Babaji(203年〜) ラヒリ・マハサヤにクリヤヨガを授けたヒマラヤに住む聖者で、現在も存在している(肉体は持っていないという話もある)。生まれたのは203年・・ということは1800歳を超える僕らの常識を遥かに超えた存在で、あるヨギの自叙伝では複数の弟子と共に暮らしており、その中にはアメリカ人の弟子もいるということです。
ウィキペディアでもババジが掲載されている。人類を進化へ導くインドの叡智をビートルズに託した聖者たち
Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Bandのアルバムジャケットでは西洋の偉人たちに混じって明らかに違和感があるインドの聖者たち。
なぜビートルズという人類を代表するロックバンドのアルバムにインドの聖者、それもクリヤ・ヨガに関わる重要な聖賢たちを登場させたのだろうか? 個人的な考察として、これはひとえに聖者たちの仕業(いたずら)なのだと思ったのでした。
このアルバムは間違いなく100年後も200年後も世界中の人々に聴かれているクオリティと普遍性を持っています。100年後、200年後・・あるヨギの自叙伝を読んだことのある未来の人たちが、このアルバムを手にした時に、まるで魔法のように聖賢たちの顔がそこにある奇跡。
そんな壮大なトリックをヨガナンダがビートルズを利用して仕込んだのだと思うのです。
最後に、今回の50周年スペシャルエディションの公式PVをご覧ください。
それでは皆さん、よい一日を!
Have a good day!
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