ピチカートファイブが1987年にリリースしたアルバム「Couples」は僕(@ka__zz)が死んでこの世を離れてもiPhoneの中に入れて持っていきたい最高傑作です。
1987年といえばバブル景気の最盛期。ジュリアナのお立ち台でセンスを振って踊るボディコンギャルを象徴とする時代に、ひっそりとリリースされたCouples..
業界ウケはしたものの、光GENJIがローラースケートを滑り、とんねるずがテレビで暴れていた歌謡曲全盛期において、当然のように日の目を見ることはなく..Couplesは浮かれ果てた時代の流れに埋もれていったのです。
ピチカートファイブ初期のアルバム「カップルズ」が激推しな理由
そんなアルバムを僕が初めて聴いたのが時に1995年、25歳の時でした。
ピチカートファイブは3代目のボーカルに野宮真貴を迎え、ブレイクの兆しを見せていた頃、FMラジオで聴いた名曲「twiggy twiggy」を耳にして、あまりにもポップで弾けた音楽に衝撃を受けた僕は、さかのぼるカタチでCouplesのCDを購入したのです。
メジャーになった野宮真貴ピチカートとはテイストがまったく違うこのアルバムを初めて聴いた時は、意外にあっけないものでさらっと聴き流した感じでしたが、その後聴き返せば聴き返すほど深みが増していく..そんな感じでした。
気がつくとどっぷりとこのアルバムにハマってしまい、慌ただしい日常生活の合間に、たまにはゆったりしてひと息つこうかなっていう時に、Couplesを部屋のステレオで再生したものです。
メインボーカルは佐々木麻美子、しっとりとした落ち着きと可愛らしをあわせもった女性..そんな雰囲気の声がとても心地いいのです。
彼女がボーカルをつとめたフルアルバムは結局、これだけになってしまったのがとても残念なくらい魅力的な歌声でした。
当時のメンバーは、
佐々木 麻美子
小西 康晴
高浪 慶太郎
鴨宮 諒
の4人構成で、ウィキペディアによるとアルバム自体は4週間のレコーディングで完成したとありますが、とても1ヶ月で作られたとは思えないほど丁寧で厚みのあるアルバムになっています。
また、ゲストミュージシャンに名を連ねる細野晴臣の主宰するレーベル「ノンスタンダード」からピチカートファイブはメジャーデビューして、その後CBSソニーに移籍してからこのアルバムを出した、という経緯があります。
(高浪 慶太郎のボーカルもCouplesを名盤にしている大きな要因である)
Couplesがリリースされた1987年というのは今からさかのぼると、なんと29年も前になる..四捨五入してしまうと30年。この記事を書きながらアルバムを聴いていますが、懐かしさと共に、色あせることのない新鮮さも同時に感じながら聴いています。
このアルバムのなかで、僕がいちばん好きな曲「アパートの鍵」を皆さんに紹介させてもらいます。
まるで短編小説を読むように聴ける不思議な音楽。
ピチカートワールド全開です。
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