とても難しい判断だった標高3015mにある雄山神社峰本社への登山参拝をするか、しないか。
台風12号が北陸の沿岸沿いを通過するという状況で下界(富山市内)は9月なのに気温36℃で無風。しかし、スマホで雄山山頂付近の天気予報を確認すると・・最大風速23m/の暴風が吹き荒れ登山には不適切。どうしたものか?と前日、旅の仲間たちとミーティングをした結果、とりあえず明朝に予定通り立山駅まで行き、そこで様子をうかがうことになった。
6日、4:45起床
5:30 富山駅すぐそばのエクセルホテル東急を出発
6:30 立山駅に到着
前回(2017年9月4日)よりケーブルカーに乗り込もうとしている人の数は少ない。パンデミックの影響もあるだろうし台風の影響もあるだろう。いずれにしても半数以下の印象がある。立山駅は朝6時台ですでに30℃を超えておりギラギラとした太陽が照りつけて肌が痛いほどだ。
そんな中、時折り涼しい風が吹いてくる。
台風が近づいている時の風である。
台風が近づく状況で登るか、止めるかの判断はどの時点で下すのか?
立山駅からケーブルカーで美女平。そこからバスで室堂へ向かう。室堂からは雄山山頂や剱岳を目指す人の他、高原をハイキングしたり温泉へ入る人もいる。
立山駅がもっと閑散としていたらこの時点で引き返しただろう。
しかし、思っていたより多く人々がケーブルカーに乗り込んでいく。その様子を見た僕たちは立山駅⇄美女平⇄室堂への往復チケットを購入。室堂で引き返すにしても雄大な立山の景色が見れるし、日本でいちばん標高が高い位置にある源泉掛け流しの温泉に入れるわけだ。
室堂に到着するとすでにこの時点で風速17〜18m/sの強風が吹いている。
しかし人々は続々と雄山へ目指して歩いていく。格好を見るとみなさん登山慣れしている上中級者のようだ。僕たちは全員がビギナーである。3000m超えの山登りは前回の雄山と北インドのヒマラヤの中腹にある寺院参拝をした2回のみ。強風の雄山は未知の世界であるから細心の注意を払って登り、そして下る必要がある。そして天候次第ではあきらめて引き返す判断も大事である。
▼雄山神社「峰本社」登山マニュアル
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僕たちは雄山を目指した。
正確にいえば一ノ越という山小屋があるところを目指した。そこまでは整地された緩やかな坂をずっと歩けば到着するので危険はない。唯一、万年雪の上を歩く時だけ滑らないように注意すればいい。
風はどんどん強くなるし刺すように暑い太陽が僕の体力を奪っていく。
とはいえ山々の景色は本当に美しくここまで来てよかったと思える。仮にここで引き返しても源泉掛け流しの温泉に入れるのだから何の悔いも残らない。心境的には山頂まで行きたい気持ちはある。しかし強風は容赦なく吹いている。
そんなこんなで一ノ越に到着・・
10分ほどベンチに腰をおろし水を飲んだり飴を舐めながら先(雄山)の様子をうかがう。
ここから先へ行くか、行かないか?
登っている人はちらほら目視できる。
雄山は登山レベルで言えば初心者向けだ。
しかし、台風が接近していると言えば話は別になる。
僕の内心は「引き返せ」だった。
行くか、引き返すかの葛藤・・
仲間たちは登る気満々の様子だ。
結局、登ることになった。
横殴りの暴力的な風で何度もよろけ足元がふらつきながら90分ほどで山頂へ辿り着く。
前回と大きく違っていたのは登りと下りでルート分けがしてあったことだ。岩に赤い印があるのが登りライン、黄色が下りのライン。8月は特にたくさんの人たちが押し寄せるため途中で渋滞にならないように分けたという。
山頂は予報通り猛烈な風が吹いていた。
5年ぶりの峰本社を参拝し無事に登れたことに感謝をし、そして下りもまた無事であるように祈り、立山駅のすぐそばにある店「志鷹」で買ってきたおむすびを頬張る。実に美味しい。
時間が経つにつれてさらに風は激しくなっていく
何度も何度も神に無事を祈りながら降っていく
室堂に到着した頃は足がへろへろだったが「みくりが池温泉」へ何とか到着。日本でもっとも標高が高いところにある温泉で源泉掛け流しである。疲れた身体を休めるには最高の湯であった。
ということで、夏でも解けない雪道で転倒した以外はトラブルもなく下山できた。
見えない存在に何度も助けてもらったことが実感できる、そんな登山参拝。僕の一之宮神社巡りは2/3を超えてようやくゴール(一周目)が見えてきた。
▼雄山登山にある便利なグッズ
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