鹿児島3泊4日の旅、春分の日に合わせて建材のミーティングと聖地巡りをした記録。

天気良好な誕生日の朝、あわててパッキングをする。

といってもいつものバックパックに着替えとMacBook、モバイルバッテリー、Nintendo Swichを詰め込んだだけだ。僕の旅のスタイルはひたすら歩くのでコロコロ付きのカートではなく両手が空くバックパックである。高麗駅まで歩き、西武池袋線で池袋駅でJR山手線に乗り換えて品川駅。そこから京急線で羽田空港へ着いたのが12時30分過ぎだった。

いつもならLCCで成田空港からフライトなのだが、鹿児島行きは早朝便しかなく、スケジュールの都合で羽田発となった。個人的には山手線と京急線の混雑がストレスではあるが、羽田空港のほうが空気が軽いというか居心地は良いことを改めて感じた。

飛行機はスカイマークエアラインで定刻から10分の遅延で14時10分に飛んだ。

鹿児島まで2時間の空の旅は、かるく寝たり冊子を読んだり、窓から景色を見たりしているうちに到着。鹿児島の天気は雨、そして気温が低くダウンジャケットを着てきて正解だった。

鹿児島空港から高速リムジンバス(1400円)で鹿児島市中心部まで1時間ちょいで行ける。

今回の旅は、かなう家代表の窪田さんと重要な仕事ではあるのだが、僕の方が1日早く着いて薩摩半島の最南端にある枚聞神社へ参拝をしてからの御合流をするスケジュールだ。この日はせっかくの誕生日でもあったのでホテルにチェックインしてから、近くにあったフランス菓子店まで美味しい苺ショートケーキでも買いに出かけたり、居酒屋で夕食を食べて過ごした。

3月下旬だというのに、真冬の寒さではあったが初めての街をふらふらと散策するのはとても楽しい。レムという名前のホテルも中心街にあったわりには静かでまあまあくつろぐことができたし、スターバックスもあってオーツミルクラテを飲むことができた。

路面電車が走る風景と、活気がありながらもどこかのんびりした空気感は令和の時代にあって昭和中期のような雰囲気である。鹿児島市内は一泊しかできなかったが、今度来る時はもう少し長めに滞在してカフェや裏通りを散策したいし念願の白くまも食べてみようと思う。

兎にも角にも、美味しいケーキを食べて、ごはんもお腹いっぱいに食べて大満足な誕生日となった。

翌日は、16時に窪田さんと鹿児島空港で合流するまで指宿(いぶすき)方面にある一之宮神社「枚聞神社(ひらきき)」へ参拝をした。6時過ぎに起床して支度を終えると7時10分にチェックアウト。

20分ほど歩いて鹿児島中央駅へ向かう。

自分への誕生日プレゼントがローカル線の旅であり、ウキウキしながら指宿行きの電車を待った。

古ければ古い車両ほど楽しいし、不便であるほど、田舎であるほど価値があるローカル線。時間と体力をひたすら使うことになるわけだが、それだからこそ目的地へ着いた時の気分がいい。

ハイカラに塗装はされてはいたが車内は至ってレトロそのもの。地元の人々が仕事へ向かうなか、海沿いを走る車窓から眺めた桜島の美しさは見事だった。

バス乗り場を勘違いしてしまい、30分ほど待合室で待つことになった。しくじった!と思ったが神社の滞在時間をだいぶ長く計画してあったのでダメージはなくホッとした。待合室では、朝から酒を飲んでいる地元のおじさんもバスを待っている。

昨夜購入したロールケーキを朝ごはん代わりに食べたりしながら時間を潰した。

ローカル路線バスといっても1時間に2本は出ている。場所によっては4時間に一本とか、一日で2本という路線バスもあるから指宿は便利な部類に入る。それでも楽しいのが路線バスの旅である。

バスに揺られた30分は、海と開聞岳(かいもんだけ)を眺めながらほぼ貸切のなか優雅に過ごした。

枚聞神社を訪れるのは4年ぶりだ。前回はパンデミック真っ只中の時、海外渡航が禁止となりインド旅行がまったく無くなったパラダイスが日本国内聖地巡りを企画してくれた時に訪れた。その時に印象に残ったのが、拝殿の上から望む開聞岳だった。

とても綺麗な形をした山で、しかも周囲に他の山がない。標高924mの火山ということで温泉も豊富な場所であるから、次回は間違いなくここで宿を探して源泉掛け流しを楽しみたいと思う。

参拝が済んでおよそ40分ほどバスを待つ間は、写真を撮ったり、付近をふらふらウォーキングしていた。団子でも食べようかと店を探したが残念ながら和菓子屋はなかった。素晴らしい神社なのだからもっと参拝客が来れば付近で商売が成り立つと思われるが、この静けさがまた枚聞神社の良さなのだろう。

バス停の時刻表を見ると、道路の反対側にあるバス停(来た時に降りた)からで指宿駅に戻れると書いてあり、しかも間もなく到着したので乗ってしまったのだが、これが大失敗。車内で仕事の電話を長々とする旅行中と思しきアジア人の女性がいたり、指宿駅には行くルートではあるがかなり遠回りだった。

さいわい海沿いを走るルートだったこともあり、美しい景色で気を紛らしながら山川駅で降りた。

この駅から鹿児島中央駅へ向かう始発電車に乗ることができる。駅周辺にあるのは古い造船所とドリンクの自販機くらいで海沿いにひっそりとたたずむ風情ある駅だった。大東亜戦争時代は、この造船所で小さな軍艦を建造していたのだろうし、そこで働く人々で賑わっていたことが想像できた。

どこか物悲しい雰囲気の山川駅から鹿児島中央駅まで直通で走る電車に乗ることができた。

ごぉぉぉ、と勇ましいディーゼルエンジンの音は地元八高線の電車で慣れてはいるが海沿いの景色は極上だった。この日は、15:50に鹿児島空港で窪田さんと合流をするわけだが、束の間のひとり旅を楽しめたのもローカル電車に乗ることができたおかげだ。

鹿児島中央駅へ到着するとさすがにお腹が空いていた。

駅ビル周辺はさすがにチェーン店しか見当たらずどうしたものかとふらふら歩いていたら「ふく福」という縁起の良さそうなうどん屋を発見したので入ってみた。お昼時で賑わっていた店内のカウンターに案内をされ、かけうどんと稲荷寿司を注文。

福岡のうどんのようにふにゃっと腰がない柔らかい麺がとても美味かった。

鹿児島ということでひと口サイズのさつま揚げと揚げ玉が入っていて豪華なかけうどんを堪能。大好きなお稲荷さんも甘くて美味しかった。その後、スターバックスでオーツミルクラテを飲みながらひと休み。

その後、空港行きの高速リムジンバスに乗ったわけだが、バス乗り場を示すGoogleマップの通りに歩いたがそれらしき建物がまったく見当たらず不安になったが適当に入ったビルが高速バスターミナルだった。

事前にリサーチをしておけばよかったのだが、路面にある高速バス乗り場を想像していたので、まさかビルの中にあるとは驚きだ。無事に切符を買って乗ることができた。

鹿児島空港で窪田さんと合流後、レンタカー(トヨタのヤリス)を借りてそこから20分ほど走ってやってきたのが源泉掛け流し温泉だ。ここが大当たりだった。無色透明の湯ながら地球のエネルギーがたっぷりこもった極上の温泉だった。

温泉不毛の地、埼玉に住んでいると源泉掛け流しの有り難みが身に染みてわかる。

この日の宿は、京セラホテルという建築家の安藤忠雄氏が設計したらしい。町外れにある立地だったこともあり静かで快適に過ごすことができた。夜、窪田さんと近くの蕎麦屋で夕食をとり、部屋に戻ってからテレビで野球を観戦しながらゆっくり過ごした。

翌朝は9時にチェックアウト。天御中主神社、霧島神宮、伊邪那岐神社を参拝させていただいた。入念なリサーチの甲斐もあって、どの神社も素晴らしくほどよい緊張感と包まれるような温かさがあった。

お昼ご飯は古民家カフェで霧島山を型取ったカレーを食べた。山間の田舎の裏通りにある立地にもかかわらず予約でいっぱいになるほど繁盛しているお店で、10種類のスパイスと地元産オーガニック野菜だけの旨みが詰まった最高に美味しいカレーを堪能し、僕たちは湧水町にある仕事先へ向かった。

その後、さらに移動して建材会社の社長さんとミーティングをさせていただき、建材の工場を見学を終えると宿泊体験ができるモデルハウスに泊まらせていただいた。春分点が18:03ということで窪田さんと瞑想をしたり、取引先の担当さんが用意してくれた夕食をいただいり、のんびりお風呂に入ったりして静かな時間を過ごした。

生成AIが急速に発達し、広告も個人の発信も動画全盛期な現在だからこそ、五感で体験をすることの価値が高まっているし、体験こそが仕事においてもマーケティングにおいても最重要であることを再確認できた旅となった。逆を考えれば動画に価値がない時代がまもなくやってくるのだと思う。

旅の最終日は10時にチェックアウトした後、新田神社を参拝した。駐車場から300段もある階段を登った。相当ハードな参拝ではあったが、充実感と共に最後の目的を果たし、鹿児島空港へ向かい、こうして2025年春の鹿児島旅は終わった。

次回、仕事+聖地巡りは秋分の日を予定している。

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