阪神甲子園球場という異空間と京都の聖地「出雲大神宮」参拝の旅を振り返る。

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今年も阪神タイガースファン歴50年を超える信太郎さんと野球の聖地阪神甲子園球場で野球を観てきた。

出発前日に九十九里の信太郎さん宅に宿泊させてもらい、京成成田駅の近くで前夜祭を行ったあと、いつものジェットスターで関空へ飛び、りんくうタウンの宿に泊まった。真夜中の2時からサッカーW杯の日本対ブラジルの試合があったので目覚まし時計をかけてムリやり起きて観戦をしたが後半終了ギリギリのところで逆転され敗戦。テンションを落としガッカリした気分のまま二度寝をした。

翌日は2泊目のホテルに早めのチェックインをしてからいざ甲子園球場へ。

大阪の友人ともさんと合流して年に一回の甲子園観戦を楽しんだ。この日の試合は大接戦で延長戦に突入した10回裏、森下選手による劇的なサヨナラヒットで長い試合は幕を閉じた。当然、スタンドは歓喜と熱狂の渦につつまれたわけだが、この試合をアルプススタンドで体験して、阪神の応援が他のプロ野球チームとは異質であるということを改めて実感した。

もちろんどこのスタジアムでもファンたちは熱狂的な応援を繰り広げているし、それぞれに個性があって面白い。そんな中でも阪神甲子園球場は人々を惹きつける何か独特の面白さがある。ファン同士の距離がものすごく近い。心で思っていることを皆が平気で口に出す。この2つがズバ抜けている。100年を超えた古き良きスタジアムの昭和な雰囲気も相まって、とても人間らしい空間が出来上がっている。

ジェットスター

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和を尊ぶ日本人としての性質は、勝敗を争うスタジアムでも発揮される。

空気を読んでまわりと同じような行動をとっている。応援スタイルも一糸乱れることなく揃って声をあげ手拍子をする。それは甲子園も同じではあるが、子供から年配者、女性までが好きなことを叫んで、そして本音をガンガン口に出している。もちろん、礼節を欠いた無礼者もいるが、多くの人は文句を言いながらも周囲を笑わせて盛り上がっている。

これは、球団がどんなに優秀なマーケティング技術を使っても意図的に出来上がったものではなく、阪神という球団と関西のメディア、そしてファンが90年以上かけて作り上げてきたものだと思う。

甲子園,阪神

甲子園,阪神

だから、人々を惹きつける。ものすごい引力で。

チケットはなかなか取れない。今回も信太郎さんが苦労して用意してくれた。そんな希少性もあるから現地観戦の価値がさらに高まる。阪神が勝っても負けても盛り上がるし、むしろ負けたほうが盛り上がっている節もある。球場にもし6万の座席があったとして連日完売御礼となるだろう。

阪神ファンじゃない僕ですら純粋に野球と甲子園球場の雰囲気を楽しむことができる。ベルーナドームもマリンスタジアムもハマスタも凄いと感じるが、実際のところ日本でいちばん人のエネルギーが集まっている場所がここだ。阪神の人気は100年後も変わらないと思うし、そうであって欲しい。

観戦を終えた僕らはともさんと阪神梅田駅で別れ、きつねうどんを食べてから宿に戻った。

去年末に宿泊して居心地の良さにすっかり気に入ったグランドプリンス大阪ベイは今年の3月にも泊まっていて大阪での定宿になった。翌日は6時に起きて貸切プールで朝活をし、近くの食堂で朝ごはんを食べた。

ミックスジュース

部屋でのんびりした僕らは昼前にチェックアウトすると、シャトルバスで大阪駅へ移動。大阪に来たら必ず飲んでいる元祖ミックスジュースを飲んだ。甲子園球場へ向かうホーム手前にある名店だ。疲れたカラダに染みる一杯で元氣がでる。その後、いつもの店できつねうどんを食べたが混雑している時間帯は味のクオリティが低く雰囲気だけ味わって次の予定を急いだ。

今回の旅、僕にとってのメインイベントは亀岡市にある出雲大神宮を参拝するために京都へ向かう。JR大阪駅→京都駅で乗り換え→千代川駅から路線バスで15分ほど揺られた。途中で小学生たちが沢山乗り込んできて賑やかになったが普段は田舎道を静かに移動できる。

路線バス

諸国一之宮神社巡りを公共交通機関でしていると、地方のその土地にしかない風景やお店、人々と触れ合うことが多い。風天の寅さんが行商の旅をするように時間の流れを味わうことができる。その反面、4時間に1本しかない電車や一日に2本しかないバスとか、そもそもバスが走ってないところに神社があったりすると肝を冷やされる場面がある。それはそれでスリルがあって面白い。

出雲大神宮は交通に恵まれた立地であるからスムーズに現地に到着。

何年か前に、一之宮神社巡りの一周目の時はパラダイスのバスで来たが当時の記憶がほとんど消えていた。なので、久しぶりに来てみると初めて訪れたような新鮮さがあった。ポツポツと雨が降るなか鳥居をくぐった僕たちはさっそく水で身を清めた。

出雲大神宮

信太郎さんがいつもと様子がちがって活き活きしている。

全国各地の神社を信太郎さんと一緒に旅しているがわりとさらっとテキパキと参拝を済ます感じだ。しかし、出雲大神宮の境内に入ると雰囲気なのか景色なのか空気感なのかわからないが、心が動いた様子だった。だいぶ気に入ってくれたようで「また来たい」と言ってくれたのはさらに驚きだった。

僕もまったく同じような感覚になったわけで、すっかり此処を気に入ってしまった。

時間があれば奥宮も参りたかったが帰りのジェットスター便の時間がタイトだったこともあり断念して再び路線バスに乗り込んだ。千代川駅からの電車までに30分ほど時間があったので何か甘いおやつを求めて散策をすると「つきよみ」という小さなお菓子屋があった。

お店の佇まいはカフェなので軽くお茶でも、と思ったがカフェは時々しかやらないらしく、僕らが残念がっていると店主さんが季節ごとの地のもので焼いたケーキを見せてくれた。本来は数種類のケーキをセットで売るらしかったが特別にバラで分けてくれた。僕はレモンとプラムのタルトを選んだ。珍しい組み合わせで味を想像するだけで楽しい。

電車のなかで食べたケーキはすごく美味しくてすっかり気に入ってしまった。

前々から計画を立てて楽しみにしていた旅もあっという間に終わる。

仕事と雑用をこなす日常と日常の合間にある非現実が旅だ。それは、僕らが生まれてから死ぬまで延々と繰り返している呼吸。空氣を吐いて、空氣を吸う。吐いて、吸うその切り替わりの一瞬のわずかな「間」と同じような感覚かもしれない。

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